蛇口を閉めたとき、突然「ドンッ」と大きな音が鳴った経験はありませんか？まるで水道管をハンマーで叩いたような衝撃音に、びっくりされた方も多いのではないでしょうか。本記事では、ウォーターハンマー現象の仕組み、具体的な原因、そして放置した場合のリスク、解消法や予防策について詳しく解説します。

水道管を襲う衝撃！ウォーターハンマー現象とは？

蛇口を閉めたときなどに発生する「ドンッ」という衝撃音は、ウォーターハンマー現象と呼ばれる水撃現象によるものです。水道管内を流れる水が急に止まると、その勢いで管内に圧力が発生し、それがまるでハンマーで叩いたような衝撃音となって現れます。

水柱分離による衝撃音

ウォーターハンマー現象には、水柱分離と呼ばれる現象が関係しています。水柱分離とは、流れが止まった水柱が分離し、圧力が低い場所に向かって両側から水が衝突することで発生する現象です。この衝突によって衝撃と音が発生し、ウォーターハンマー現象の一因となります。

車の急ブレーキと同じ？ウォーターハンマー発生のメカニズム

ウォーターハンマー現象を理解するには、車の急ブレーキをイメージすると分かりやすいです。車を走行中に急ブレーキを踏むと、車は停止しますが、乗っていた体は前のめりに大きく揺さぶられます。これは、車が停止しても、体が持つ慣性によって前に進もうとするためです。

水道管内でも同様の現象が起こります。蛇口を閉めたとき、水が止まりますが、その勢いで管内に圧力が発生し、それが衝撃音となって現れるのです。

ウォーターハンマー現象がもたらすリスク

ウォーターハンマー現象は、単に不快な音だけにとどまらず、深刻な問題を引き起こす可能性があります。

水道管破損による水漏れ

ウォーターハンマー現象によって、水道管に繰り返し衝撃が加わると、老朽化が進んだり、継ぎ目部分にひび割れが生じたりして、水漏れが発生する可能性があります。水漏れは、水道料金の増加だけでなく、床や壁の腐食、カビの発生など、二次被害も招きかねません。

壁内・床下での水漏れ：発見が困難で二次被害も

水道管は、壁内や床下を通っている場合が多く、水漏れが発生してもすぐに気付かないことがあります。特に、壁内や床下での水漏れは、発見が遅れがちで、カビや腐食が進行してから気付くケースも少なくありません。壁紙や床材の張り替えが必要になるなど、多額の修理費用がかかってしまう可能性もあります。

近隣トラブル：騒音や水漏れによる関係悪化

ウォーターハンマー現象による衝撃音は、特に集合住宅の場合、上下左右の住戸に響き、騒音トラブルに発展する可能性があります。特に夜間や早朝に発生すると、睡眠を妨害され、大きなストレスを感じてしまうこともあります。

さらに、水漏れが発生した場合、階下に水が漏れて被害を与えてしまうと、損害賠償責任を負わされる可能性もあります。このように、ウォーターハンマー現象は、自分だけでなく、周囲の人にも迷惑をかけてしまう可能性があるため、放置することは避けるべきです。

ウォーターハンマー現象の解消法

ウォーターハンマー現象が発生している場合は、できるだけ早めに対処することが重要です。ここでは、代表的な解消法を4つご紹介します。

水撃防止器で衝撃を吸収

水撃防止器は、水撃による衝撃を吸収する装置です。水道管に設置することで、ウォーターハンマー現象による衝撃音や振動を軽減できます。水撃防止器には、ハンドルタイプと連結タイプがあり、ハンドルタイプは蛇口のハンドルに取り付けるだけで簡単に設置できます。

逆止弁で水の流れを制御

逆止弁は、水の逆流を防ぐ装置です。水道管に逆止弁を設置することで、蛇口を閉めたときに水が逆流するのを防ぎ、圧力上昇を抑えられます。逆止弁には、スイング式、バタフライ式、チャック式など、さまざまな種類があります。

減圧弁で水圧を調整

減圧弁は、水道管内の水圧を調整する装置です。水圧が高すぎる場合は、減圧弁を設置することで水圧を下げ、ウォーターハンマー現象を抑制できます。減圧弁には、ダイヤフラム式、ピストン式、スプリング式など、さまざまな種類があります。

専門業者へ依頼する

ご自身で水撃防止器を取り付けたり、蛇口の閉め方を変えたりといった対策を試みたものの、効果がない場合は、専門業者への依頼がおすすめです。専門業者は、ウォーターハンマー現象の原因を調査し、適切な対策を講じることができます。

水撃防止器の取り付けだけではなく、必要に応じて逆止弁や減圧弁の設置、水道管の修理など、状況に合わせた最適な方法を提案してくれます。 また、経験豊富なスタッフが作業を行うため、安全かつ確実な解決が期待できます。

まとめ

ウォーターハンマー現象は、水道管内の圧力変化によって起こる衝撃音です。放置すると、水漏れや近隣トラブルなどの深刻な問題を引き起こす可能性があります。ウォーターハンマー現象が発生している場合は、水撃防止器、逆止弁、減圧弁などの装置や、蛇口の閉め方、水道管の元栓の調整などの方法で解消できます。自分では対処しきれない場合には、水回りの専門業者への相談がおすすめです。

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